宝塚歌劇団花組講演『明智小五郎の事件簿 黒蜥蜴』観てきました。

平日の昼ということもあってか(なくてか)、観客は淑女の方々が大多数です。
で、私は宝塚歌劇を観る事自体が初めてなので、感想も宝塚歌劇についてのものと黒蜥蜴についてのものとか。

宝塚歌劇のこと

格好いい!
宝塚歌劇といえば何と言っても格好良すぎる男役です。
何が格好良いかって、所作の一つ一つが全て格好良い。立っているだけで、そのシルエットからして美しい。これ重要。今回はB席で、それだとステージからは遠かったんだけど、タカラジェンヌはそういう遠い席の人たちの目にも格好良く見える。
「10m 離れて見れば いい男」というのは近くで見ると不細工な人に対してアレなわけですが、これが「50m 離れて観ても いい男」となると、普通の男どもはここまで遠いとどれも同じように見えてしまいますが、それがこの距離で届く格好良さというのは特別な資質なんじゃないかと。
タカラジェンヌの男役が格好良いのは必然でもあるわけで。男という抽象概念から好ましい部分だけを抽出して体現しているわけで、例えば少女漫画の男キャラが現実にはあり得ない格好良さなのと同じ種類の、理想の男性がステージ上に立っています。そりゃ淑女の皆様がハマるのも道理。漫画の登場人物ならまだしも、タカラジェンヌは(一応)生身の人間なのに。


漫画と言えば。これは余談になるんですが、手塚治虫が宝塚からかなり大きな影響を受けているなというのを感じました。わざとらしいくらいの影やキャラクターによる繰返しデザイン的なもの等が手塚漫画にはしばしば出てくるんですが、それらは宝塚歌劇の照明効果やラインダンス等に良く似ていて、成る程という感じです。実際、手塚の1946年頃の日記にも何度か宝塚歌劇を観たというようなことが出てるし。

黒蜥蜴のこと

探偵ものの体裁をしていますが、恋愛悲劇でした。面白かった。私は原作を読んで無いので普通に納得しましたが、同伴者の曰く「こんな話だったっけ?」だそうです。
途中で結末が読めてしまいますが、それでも避けられない悲劇的展開がなんていうか悲劇的展開です。
ただ、あの失恋男と失恋女がくっつく下りは、唐突というか、ちょっとしっくり来なかったです。


それにしても明智君が格好良い。明智君は「変装の達人」でもあるわけで、難しそうな役だと思いましたが、見事に演じられてました。考えてみればジェンヌにとっては明智小五郎の姿もまた一つの変装なわけで。
あと、コバヤシ少年が、ちゃんと少年っぽい。他の役もそうですが、ちゃんと役通りの存在に見えるってのは凄いことだと思います。
それと和装メイド萌え。

と、いうわけで

関西にいるなら是非1度は宝塚を観ておくといいかな、と思いました。満足。