『会長はメイド様！』が普通に萌える件

会長はメイド様! (1) (花とゆめCOMICS (2986))

てけとーにストーリー紹介

数年前まで男子校であった高校に誕生した初の女性生徒会長・美咲。男嫌いの美咲は粗暴な男子校の文化の中で、女子が快適に生活できるようにあれこれ奮闘する。しかし、容姿端麗・成績優秀・戦闘力抜群の美咲にも弱点があった。それは貧しい家計を助けるためにメイド喫茶でバイトしていることである。(男嫌いの美咲が元男子校に入ったのも、学費の都合である。)
そんなある日、校内１のモテ男・碓氷にメイド喫茶でバイトしていることがバレてしまう。碓氷は容姿端麗・成績優秀・戦闘力抜群であるが女子に興味が無いらしく、言い寄る女子を悉く振ってきているが、そんな碓氷も何故か美咲には興味を持った様子。美咲のバイト先であるメイド喫茶の常連客となるのであった。
という感じのドタバタラブコメ。

感想

普通に面白いです。
会長はツンデレ(というよりツンツン)だし、メイド喫茶だし、と、いかにもな設定であるにもかかわらず、そういうあざとさが見え透かない、むしろ直球ど真ん中の少女漫画です。会長自身はメイドフェチでも何でもなくて、メイド喫茶で働いているのはバイトの条件が良かったのと店長さんに気に入られたためという設定。なのでオタ臭さも感じること無く、さわやか〜に読むことができます。ドタバタのテンポも良く、男女を問わず気軽に薦められる良作だと思います。

っていうか会長が普通にカワイイ。会長のカワイイ点は、一生懸命自立していること。そして会長が媚びないからこそ、苦境に立ったときに出てくる碓氷が際立ちます。少女漫画としての、(少|青)年漫画とのとの違いは、男子が格好いいこと。
男性向けのだと主人公の男は読者を反映してかヘタレが多い。のだけれど、会長も非常に魅力的なキャラを与えられており、美咲と碓氷の関係がわりかし自然な物に見えます。ヘタレ男子がハーレム作ったり取り柄の無い女子がモテモテだったりする漫画は多いけれど、そういう都合の良さが少ない。
そうなると気になるのは、女子の読者はどういう読み方をしているのかということ。少年漫画であれ少女漫画であれ、ヘタレ主人公がモテモテなのはヘタレ読者が自己を投影して喜ぶからと考えられそうですが、この会長はなんせ素晴らしいので、読者が自分自身に重ねるのはちょっと厳しい。ドラゴンボールみたいに読者が主人公を応援する形態でしょうか。