アルフォンス・ミュシャ展観て来ました。

JR京都伊勢丹の中にある『美術館「えき」KYOTO』でやってる『アルフォンス・ミュシャ展〜憧れのパリと祖国モラヴィア〜』を観て来ました。今日はまだ大学生のはずだけど、学生証がないから一般料金900円なり。てっきり今日までだと思ってあせって行ってきたんですけど、明日10/1まででしたね。明日はどうせ駅前に行く用事があったので明日にすればよかった…


ミュシャについては上のリンクなりなんなり見れということで。アールヌーヴォの代表的画家です。脳トレから派生した塗り絵ブームの中で、ミュシャの塗り絵本も出てるので、見たことある人も多いはず。→名画の塗絵―アルフォンス・ミュシャ編
私が今年使ってるカレンダーがミュシャです。あの見下ろすような目線にやられた。
とはいえ、こうしてミュシャの作品を一度に沢山見るのは初めてです。こうやって見てみると、全作品の共通の特徴が改めてよく解ります。
ウェーブした髪を太めの輪郭線で描いてあるさまは、なんともベジュって感じです。ラインの美しさ、デザインの良さは今日見ても全く古びておらず、むしろ新しささえ感じます。私は最初ミュシャってのはIllustlaterを使ってる作家なんだろうと思ってましたし。
輪郭線で美しいシルエットを描き、特に顔は少ない線で描く技法は、漫画の画法によく似ています。ミュシャは1900年前後に活躍した作家ですから、浮世絵の影響が考えられないでもないですが、ミュシャの経歴を見ると、どうもそういうものが入りこむ余地はないような。
漫画的、と書きましたが、雰囲気としては特にCLAMPが近いと感じました。ベジュっぽい線を流して使うあたりとか。ただし、色使いなどはミュシャの方がコントラスト低めで上品な感じです。
アールヌーヴォですから実用的な芸術であって、商品のポスターなどに作品が多いのですけれど、そういった商品やそれ以外のモチーフを見事に女性の姿に擬人化しています。花を擬人化したシリーズでの薔薇と百合として描かれている女性は、確かに薔薇と百合が人の姿になったものとして納得できます。


ところで今回特に気になった作品として、1912年の『南西モラヴィア挙国一致宝くじ』を挙げます。
ミュシャのイメージはパリ時代の作品に代表されているのですが、プラハに戻ってからの作品には、パリ時代の画風は残したまま、テーマ性がより強くあらわれているように思いました。中でも上に挙げた作品で描かれた少女はミュシャっぽくない、土俗的な印象の佇まいで鑑賞者を見据えるのですが、パリ時代の絵がCLAMPだとすればこちらは大友克洋。媚びるというより訴えるような力強い視線が印象的でした。
どうもそんな人気作ではないようで、ポストカードにはなってなかったのが残念。